（署名活動開始日：2025年5月19日）
　
介護や福祉の最前線に立つケアマネジャー（介護支援専門員）と相談支援専門員たちが、いま静かに、しかし強い意志をもって声を上げている。彼らの処遇改善を国に求めるため、日本介護支援専門員協会と日本相談支援専門員協会は共同で全国的な署名活動を展開し、現場の切実な声を可視化する試みが2025年5月19日より始まった。
　
この活動は、慢性的な人材不足や過重な業務負担、そして相対的に低い報酬水準など、福祉現場を支える専門職たちの置かれた厳しい環境を背景にしている。特に地域包括ケアシステムの要として機能するケアマネジャーと、障害福祉分野で個別支援計画を担う相談支援専門員は、制度の根幹を支える存在でありながら、その重要性に見合った評価と処遇が得られていない現状がある。
　
両協会はこの状況を「看過できない社会的課題」と位置づけ、広く国民に理解を求めながら、政府に対して処遇改善に向けた具体的施策の実施を強く要請している。署名は全国各地の関係機関や福祉事業所を通じて集められ、関係省庁へ提出される予定だ。
　
「私たちが安心して働ける環境があってこそ、利用者の暮らしも守られる」──署名に込められた声は、ただの数字ではなく、支援の現場で向き合っている人びとの切なる願いである。今、この活動が社会にどのように受け止められ、政策にどう反映されるかが、福祉の未来を左右する大きな鍵となる。