ご高齢者と入居施設をつなぐ情報サイト

トピックス

2025.10.27

介護支援専門員の資格取得要件が緩和か?

介護支援専門員の資格取得要件が緩和される見通しである。
実務経験年数の短縮と対象資格の拡大が柱となっており、人材確保を目的とした制度改正が進められている。
 
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得要件について、厚生労働省は2025年10月の社会保障審議会・介護保険部会において、要件緩和の方針を示した。
現行制度では、保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務、または一定の相談援助業務に通算5年以上従事した者が受験資格を有するとされているが、これを「3年以上」に短縮する案が提示された。
 
この背景には、介護支援専門員の従事者数の減少がある。
2018年度には約18万9千人であったが、2022年度には約18万3千人に減少しており、資格保有者のうち現場で従事している者は約24%にとどまるという指摘もある。
高齢化の進展に伴い、介護ニーズが増加する中で、ケアマネジャーの供給不足が深刻化している。 
加えて、厚労省は受験資格の対象となる法定資格の拡大も提案している。新たに診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士、公認心理師の5資格を追加する案が示されており、医療・介護の連携強化を図るとともに、多様な人材の参入を促進する狙いがある。
 
これらの緩和策により、資格取得のハードルが下がることで、若年層や異業種からの参入が期待されている。
一方で、資格者の定着率向上や業務負担の軽減といった課題も残されており、制度改正と並行して職場環境の整備が求められる。
今後の制度設計においては、ケアマネジメントの質を担保しつつ、持続可能な人材確保策を講じることが不可欠である。
資格取得要件の緩和は、その第一歩として注目される動きである。