2026.3.5
令和8年度「介護職員等処遇改善加算」案の概要
令和8年度「介護職員等処遇改善加算」案の概要
厚生労働省は、令和8年度における介護職員等処遇改善加算の基本的考え方、事務処理手順および様式例(案)を示し、各自治体および介護サービス事業所に周知を求めている。
本通知は新年度の加算取得に向けた事務の便宜を図るため、正式発出前の案として提供されたものである。
1 制度改正の背景
介護職員の処遇改善は、平成24年度の加算創設以降、段階的に拡充されてきた。
令和6年には複数の加算を一本化し、令和8年度改定では、他産業との賃金格差を縮小するため、期中改定を実施することとなった。
総合経済対策では、介護分野の人材流出防止と職場環境改善を目的に、令和7年度補正予算で賃上げ支援を実施しており、これを踏まえて今回の改定が行われている。
2 令和8年度改定のポイント
●賃上げの実施
・介護従事者全体を対象に**月1万円(3.3%)**の賃上げを実施する。
・生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員には、**追加で月0.7万円(2.4%)**を上乗せする。
・介護職員については、定期昇給分を含め最大**月1.9万円(6.3%)**の賃上げが可能となる。
●対象範囲の拡大
・従来対象外であった訪問看護、訪問リハビリ、居宅介護支援等にも新たに加算を創設する。
●事務負担軽減
・新規対象事業者や生産性向上に取り組む事業者に対し、届出要件の特例を設ける。
3 処遇改善加算の仕組み
加算額は、サービス別の総単位数に加算区分ごとの加算率を乗じて算定する。
令和8年4〜5月と6月以降で加算率が異なり、対象外サービスも別表で定められる。
加算は区分支給限度基準額の対象外である。
4 賃金改善の基本方針
事業者は、加算額に相当する賃金改善を必ず実施しなければならない。
主なポイントは以下の通りである。
・賃金改善は基本給・手当・賞与など項目を特定して行う。
・賃金水準を低下させてはならない。
・基本給による改善が望ましい。
・令和8年度に増加した加算額は、新規の賃金改善として必ず実施する。
・新規改善は原則としてベースアップで行う。
5 加算区分ごとの要件
●主な要件(加算Ⅰ・Ⅰイ等で必須)
1.月額賃金改善要件
基本給等への配分割合を満たすこと。
2.キャリアパス要件Ⅰ
職位・職責に応じた任用要件と賃金体系を整備し、書面で周知する。
3.キャリアパス要件Ⅱ
資質向上のための研修計画を策定し、研修機会を確保する。
4.キャリアパス要件Ⅲ
経験・資格等に応じた昇給制度を整備する。
5.キャリアパス要件Ⅳ
経験・技能のある介護職員の年額賃金を440万円以上とする(例外あり)。
6.キャリアパス要件Ⅴ
サービス類型ごとに介護福祉士等の配置基準を満たす。
7.職場環境等要件
入職促進、資質向上、両立支援、健康管理、生産性向上などの取組を実施し、公表する。
※令和8年度特例要件(申請時点での緩和措置)
以下のいずれかを満たすことで、キャリアパス要件等の整備を令和9年3月末まで猶予できる。
・ケアプランデータ連携システムの利用(または利用誓約)
・生産性向上推進体制加算の算定(または算定誓約)
・社会福祉連携推進法人への所属
6 新規対象サービスの要件(別表1-5)
訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等の新規対象サービスは、以下のいずれかを満たすことで加算算定が可能となる。
・ケアプランデータ連携システムの利用(または誓約)
・社会福祉連携推進法人への所属
7 今後のスケジュール
・本通知は案であり、令和8年3月中旬に正式発出予定である。
・令和8年度の届出から新制度が適用される。
・令和6年通知は令和8年3月31日で廃止される。