2026.3.11
パリアティブケア(緩和ケア)における「聴き添い士」という新たな役割
全国では近年、パリアティブケア(緩和ケア)が医療・介護の現場で広がりを見せており、身体的苦痛の緩和にとどまらず、心理・社会・スピリチュアルな側面までを含めた全人的支援を重視する取り組みが進展している。その中で、利用者の語りに寄り添う専門人材である「聴き添い士」の役割が注目され、終末期ケアの質を高める新たな要素として全国的に導入が広がりつつある。
●パリアティブケアの受け皿が全国で拡大
全国の医療機関や介護施設、在宅医療の現場では、がんや難病を抱える人々が生活の場で緩和ケアを受けられる体制整備が進んでいる。
特に、看護・介護・医療が連携し、ターミナルケアや看取りまでを包括的に支える仕組みを持つ高齢者向け住宅や在宅支援サービスが増加している。
地域包括ケアの深化とともに、生活の場で「その人らしさ」を尊重するケアが求められていることが背景にある。
●「聴き添い士」が担う新たな専門性
パリアティブケアの広がりとともに、利用者の人生の語りや心の揺らぎに寄り添う専門職として「聴き添い士」が全国で注目されている。
聴き添い士は、利用者の思い出や家族への言葉、人生の振り返りを丁寧に聴き取り、言語化し、必要に応じて家族へ届ける役割を担う。
・不安や孤独感の軽減
・家族との関係性の再構築
・看取り期の精神的支援
といった効果が期待され、医療・介護職だけでは補いきれない領域を支える存在として評価が高まっている。
●新サービスの導入と学びの場の広がり
全国のパリアティブケアの現場では、利用者の語りを音声として残す「声のアルバム」など、聴き添い士の活動と連動したサービスが導入されている。
これにより、利用者の尊厳を重視したケアが深化し、家族にとっても大切な記録となっている。
また、緩和ケアに関する研修会や事例検討会が各地で開催され、医療・介護・福祉の専門職が学び合う機会が増えている。
聴き添い士の活動もこうした場で共有され、地域全体でのケアの質向上につながっている。